今も止まない雨が
私の髪を
知らず、湿らす時は
時雨る侭に
濡れそぼつ私を
逃さないで、虜にして
揺れる秋の枝葉の脈をなぞる指よ
立待月を詫びて
私の肉に刻む君の鼓動
生命の驕りを謳うように揺れている
花も鳥も風も月も
境のない記憶と過去を犯す君よ
色なき風
吐き出す烟
棚引いて消えるの
手を取り、ああ何て事を
それは秋の麗の照る葉映える明らかな日
火照る頬に咎なく
秋にかまけて、赤く赤く染まれ
この身も 今日も、嘘も、皆諸共
願わくは、あのままどこか消えたなら
今も止まない雨が
あなたの髪も
知らず、湿らす時は
時雨る侭に