あなたはまるで何も残してはいない
息が詰まるあの陽溜まりを人は愛と呼ぶ
なんていう不都合!
あなたはまた上澄みばかり嘗めて生きている
水を湛える姿を留めない瞳に
見惚れる時はその憶病も慕わしく思う
なんていう欲望!
私はただあなたの体に耽るばかり
恋を説いて虚ろ
体に毒と
愛を説いて迷子
正しい道を
私は別にこのまま泥濘んでいても構わないのに
何故わざわざ与えては奪う?
なんて不埒な!
私はただあなたの体で泳ぐばかり
なんていう不条理!
あなたはその胸を痛めては黙るばかり