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Music

​うつせみ / Utsusemi

Lyrics

​ただ一度の夏

ただ一度の夏

君は甘い嘘に自ら溺れる

心浮かれ

今を背にして

 

向こう遠くを往く帆影の搖れて

なまぐさい潮を抱いた風でもう

私は肺の奥から湿気てしまいそう

あなたの吐くだろう息も知らないうちに

 

ただ一度の夏

君は甘い嘘に自ら溺れる

白いくびと

黒い襟足

 

うるさいほどの日ざかりは過ぎ

かすかな火照り 

ほかは跡形もなく

 

寄せては果てて散るだけの潮の泡と

手の内をこぼれ落ちていく陸の砂と

 

ただ一度の夏

君は笑い

胸を掠めた事実を

恋が為に認められない

 

灼かれて干からびて

もう鳴かない蝉の姿を

過ぎれば何という事はないと

爪先で小突いて

 

ただ一度の夏

嘘を選ぶ君の弱さも美しい

暑い頃の赤い血潮は

​端居の頃

冷たい手を振って

帰らないともう知って

かなしい人形とおもちゃの兵隊と

揺蕩う水面

今日の暗がりでなぞるはあなたの名前

越えてみようか

踵を返そうか

飽いたなら今日は帰ろうか

 

宛て処なく吹く朝の風も

行きつくだろうか

たそがれ時には

人違いも起こるだろう

横道

恋の手引き

あわれ そちらは袋小路

吹き溜まりの恋人よ

 

帰らないわけは訊かずと知れる

衣摺れの音にこころを奪われて

 

見上げるお空を嫌いながら

知らない愛の手管

泣いてくれるな、お天道さまよ

途方もない純情

笑うからだ

嬌声のさなか

呑まれる愛の孤独

ね ほら鬼さんこちら

肩越しの空の青さ

 

云えない夏は過ぎて

後にするだけ

 

見上げるお空を嫌いながら

知らない愛の手管

泣いてくれるな、お天道さまよ

途方もない純情

からだから投げ出す脚

溺れる恋の刺激

きっと指切り

閻魔サマと

吹きざらしの欲望と

​しょうびの藪の下

甘い蜜の河をくだる

あくがれ

乳の香馨る

シャロン

 

遠いはるか昔から

そこで見ている

徒に血が流れるのを

 

僕らは皆

迷い子

 

ばらは嘆く

誰もが

つみとがのなくて

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